不動産投資で家賃収入を - J-REITガイド

不動産投資で家賃収入を - 銘柄選びの注意点

不動産投資で家賃収入を - 銘柄選びの注意点

J-REITは株式と同じく、元本保証も分配金の保証もある商品ではありません。金融市場が混乱すれば価格が急落することもありますし、最悪の場合運用に失敗して破綻するケースもあります。


金融市場の混乱で価格が急落しても、運用のしっかりしたREITは価格の戻りも早いですが、破綻してしまったら投資したお金は戻ってきません。J-REITの銘柄は40以上(2012年)ありますが、どれも運用方針が異なるので、投資するのに適格かどうかは自分で判断する必要があります。そこで、J-REITを選ぶときの注意点をまとめてみました。




運用物件の種類とロケーションを調べる

J-REITが運用している物件の種類にはオフィスビル、賃貸住宅、商業施設、インフラ・物流施設、工場・研究施設、ホテルなどがあります。運用のやり方についても一つの種類に運用を集中する「特化型」や、複数の種類を運用している「複合型」、多くの種類を運用している「総合型」があります。


運用物件についても例えば賃貸住宅は人が居住する物件なので賃貸料の変動が小さく、テナントも小口で、テナント数の変動も安定するので不況でも収益は安定します。その反対にオフィスビルはテナントが会社なので、会社の業績に収益が左右される場合が多くなります。商業施設は大型テナントが長期で契約していることが多く、収益は安定していると言えますが、どちらかと言うと不況時には収益が減少する傾向にあります。物流施設は不況時でも物流が止まってしまうわけではないので安定感があり、景気が回復すると需要が急増する可能性もあるので人気があったりします。


物件の所在地については競争力の高い東京都主要区や首都圏に位置するものが大多数ですが、地方都市にも分散して運用するものや、地方都市に特化したものもあります。


運用している物件の種類と所在地、入っているテナントも調べておくことはとても重要です。



運用会社と運用成績・価格・財務健全性を調べる

J-REITの運用会社の株主(スポンサー)は大手不動産業者や、商社、金融機関などがあります。運用について、また資金力について強いスポンサーが後ろについていた方が、そのスポンサーのノウハウやネットワークを利用して運用できるので有利になります。有力なスポンサーがついているJ-REITを選ぶと安心です。


歴史はまだ浅いですが、過去の価格推移や運用成績を調べておくことも必要です。価格についてJ-REITが上場してから数年後、アメリカの住宅バブルやユーロ圏での不動産バブル、新興国の高度経済成長によってJ-REITの価格はピークを迎えました。しかしバブルが崩壊し、金融危機・ソブリン危機の発生により円高・デフレも深刻化して、J-REIT価格はピーク時の3分の1程度に低迷しています(2012年)。このようにバブル状態の時に買ってしまうと証券価格の暴落により大損してしまうこともあります。現在の価格が割高なのか、割安なのかを判断することもとても重要です。


運用成績については分配金の安定性や純資産の推移、現在の自己資本比率などに注意しましょう。運用を失敗して純資産を目減りさせ、運用が悪いもの同士で合併したりしていないか、J-REITはだいたいレバレッジ2倍程度の運用が好ましいので、自己資本比率が50%を大きく割り込んでいないかなど、開示資料を見ることも重要です。開示資料は各J-REITのサイトで誰でも自由に見ることができ、一般の株式と比較して情報開示の義務も大きいので内容が充実しています。また決算説明会やREITの運用内容についてなど、YouTubeで動画を上げている場合も多いので探してみてください。



どうしても避けられないリスク

どんな優秀な運用をしていても、地震・台風・竜巻などの自然災害や偶発的な事象の発生により損害を被る可能性があります。また、不動産税制や建築規制の強化・新設などの法的な変更により収益が悪化することもあります。


さらにJ-REITは株式と同じように扱われるので、現在の優遇税制が終了してしまうと分配金、売却益ともに税金が増えてしまい、収益性が悪化してしまいます。



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